新潟市医師会の活動重点目標の一つに医療のICT化の促進があります。近年各地ではスマートシティやスーパーシティを目指している自治体が多く新潟市においても例外ではありません。医療は市民の生活を支える一つとしてまちの重要なインフラの一つです。今後新潟市においてもスマートシティ化が進む中で医療の在り方も問われる可能性があります。本研修会では、新潟市医師会の会員様とスマートシティに関する一般教養を学ぶため開催いたしました。
令和3年 9月16日(木) 19:00~21:00
オンラインによるウェビナー開催
新潟市医師会会員の医師
医師
スマートシティに精通している(株)スカイランド 白河勝敏氏を講師にお招きし、スマートシティとは何か、スマートシティの必要性、各内外の取り組み、スマートシティにおけるヘルスケアの取り組み例等講義をいただきました。その中でも、医療は街や人々の暮らしにおいて重要な社会インフラの側面があるということを強く協調しておりました。同時にスマートシティ化における医療の在り方も、人々の生活の変化や価値観の変化によって対応していく必要があるかもしれません。
また、スマートシティの中で最適化された医療サービスが出来上がったとしても、果たして住民がそれを望まないことも十分に考えられます。スマートシティの中における望ましい医療サービス提供とは何かを、活動を通じて医療者や住民の皆様と共に理解しあう必要があることが明らかになりました。
2021年4月より開業して半年、デジタル化され患者と医師双方にとって有益な方法を模索しておりました。そのような中、新潟市医師会主催の当研修会に参加して、何かきっかけとなるものが得られればという思いから参加の申し込みに至りました。感想としてはスマートシティいう広大な構想から医療者として何ができるかを具体的にキャッチアップできないのが正直なところでした。一方で、超高齢化が進み判断意思能力が低下された高齢者の方の増加に伴い、自身の診療録や今後の医療に対する意向をどのように他者に伝えていくかは、自身のQOL向上や認知症に優しい街づくりを考える上では重要な要素になってきております。現在それを担保する活動としてはある種のシートや手帳が主流となっておりますが、アナログなためそれ自体の存在をご本人が忘れてしまったり、情報の信憑性に欠けたりとするという課題があります。
さらに、一言に患者といっても多種多様で、様々なニーズにも応えなくてはいけません。細かい例では通院後の支払い方法です。保険の種類により一時的に全額お支払いの場合、手持ちがないということもあります。その際にキャッシュレスサービス等が有効ではないかと考えております。
このように、医療の質的担保においても、患者へのサービスや医院の経営についても、デジタルを取り入れた体制が望ましいと考えております。また、スマートシティという文脈を捉えるとデジタルを取り入れた体制は個々のクリニック・医院だけの取り組みではなく一体的な活動も一方では必要ではないかと考えております。新潟市医師会及びN[EXT]Aが医院・クリニックのデジタルを進める上での良き相談役としての機能も果たせることに期待しております。